植物の未来 3
目といってもそれは、白い模様で縁どられた花筒口のこと。
それを英語ではアイ(目)とよぶので、ここでも目とよぶことにします。
花筒の奥へと続く騎りを瞳とするならば、その瞳にはちょっとした秘密が隠されているのですが、それについてはまた別の機会に・・・。
さて、その目は、まわりのくまどりが薄くてほとんどないに等しいものから、白色が浮き立つように目立つものまでです。
またそれは、まるで一重まぶたのやや眠そうな目のようであったり、黒目がちのぱっちりとした目のようであったり、花の表情を大きく特徴づけます。
目は一つの花に一つずつ。
それだけに、その目には訴える力が強くこもっています。
調査や実験でサクラソウの花を扱っていると、ときにその目に凝視されているような感覚にとらわれ、何とも不思議な気持ちになることがあります。
替り玉、こんぺい糖、ゼリービーンズなどのお菓子、クリスマスツリーや七夕の飾りつけなど、色とりどりのもの、形もバラエティにも富むものは、子供たちの心を浮き浮きさせます。
それは、多様性を慈しむヒトの本能的な心の動きによるものだと私は思うのです。
そんな「多様性好み」は、「生き物好き(バイオフィリア)」とともに、ヒトという動物にとって適応的な意義の大きい感性のはずでしょう。