屋久島の民話に、"和尚と小僧"という話があります。
私はこの話が大好きなので、ここで紹介したいと思います。
むかし、尾之間の本経寺という寺の和尚さんが、
「小僧、小僧、わしは原の本住院の和尚に話があるので行ってくるから、おまえはるすをたのむぞ」
と小僧さんにいいました。
「はい、和尚さん、行ってきなさい。」
さて、和尚さんが原のほうへ歩いて行きあると、道の真中にキツネが昼寝をしていましたので、和尚さんはキツネの頭をぽかっとくらわして、
「こら、キツネ、キツネ、どかんか」
とどなりました。
キツネはクェーンというて、山へ逃げました。
原の本住院の和尚さんと久しぶりに会ってごちそうになった和尚さんは、酒もいただいて、上きげんで尾之間のほうへ帰ってきました。
途中、キツネが昼寝していたあたりにさしかかると、りっぱな家があって、中では歌えや踊れやとたいへんにぎやかに酒盛りをしていました。
いっぱいきげんの和尚さんは、つい中へはいって行きました。すると、
「ようこそ、和尚さん。さぁいっしょに踊りましょう」
とたいへんな歓待をうけました。
「和尚さん、ふろにはいりませんか。」
「うん、はいらせてくれ。」
ふろにはいった和尚さんは、頭から湯を浴びました。
ところがとたんにあたりの景色がかわって、和尚さんは野っ原の中の肥壷の中につかって、頭からくそをかぶっていました。
「うえーっ。こらしもた。キツネにだまされた!」
和尚さんはいそいで近くの小川に行ってからだを洗いましたが、いやなにおいは、なかなか抜けません。
「さても残念な・・・。キツネからだまされたか。」
つづく