モモの時間 3
ここから逆に、もう一度『浦島太郎』や、『いばら姫』のような古典的なお伽話の意味について考えてみることもできるでしょう。
浦島に出てくる玉手箱には、時間の花がたくさんつまっていたに違いないですが、浦島はそれを見ることもなく、立ちのぼる灰色の煙の中で、年老いてしまいました。
彼は海の底の別の次元のすばらしさを、モモと同じように亀に連れられて見てきました。
しかし、時間の花の本当の意味を知らなかったのかもしれません。
あるいは、知ってはいても、貯めておいた生命力を一時に開いたので、その力に圧倒されて失敗してしまったのかもしれません。
時間の花である人間の魂は、うっかり扱いをあやまると危険なものです。
しかしまた、灰色の煙ならぬ灰そのものをまいて、枯木に花を咲かせたという『花咲爺』の話もあります。