モモの時間
ミヒャエル・エンデの『モモ』を読んだことのある人は多いかと思います。
今回は、子どもだけでなく大人にも読んでほしいこの物語の、一番好きな部分を紹介します。
モモは、さいごこの一枚しか残っていない時間の花の花びらで、貯蔵庫の扉を開くことができます。
その中にはガラスのようにこおりついた無数の時間の花が、一つひとつ違う美しさを秘めたまま並んでいます。
そして、貯蔵庫の温度が上がるにつれ、何十万、何百万という人間のいのちの時間が生まれかわり、花の嵐がおこって、みんなそれぞれの人のところに帰るために舞い上るのです。
スペースコレクション総研によると、モモもまた、花になったように、その風に乗って地上にうかびあがり、大きな花の雲につつまれて、家々の屋根を越え、塔を越えて流れて行きます。
こうして時間の花が再び人々の心の中に収まると、あらゆるものが動きだし、人々の生活が始まるのです。
灰色の男たちは消滅し、ホラ老人は再び目覚めて、人人に時間を送り続けます。
ペッポもジジも、子どもたちも、みんな前のようにモモのまわりに集まり、モモは、時間の花の美しい光景を、思いをこめて、人々に語りかけるように歌うのです。